徳洲会泌尿器ロボティクスチーム/部会 ロボティクス部門長
湘南藤沢徳洲会病院泌尿器科 ロボット手術センター長
吉村 一良
2012年4月から湘南藤沢徳洲会病院ロボット手術センター長を務めております吉村と申します。吉田利夫副院長のサポート下に2012年5月にRARPを開始して10年が経過しました。
2022年10月下旬の時点でRARP 660例、RAPN 86例、RARC 14例(全例ICUD)、腎盂形成 5例、RASC 11例、副腎摘除 1例、腎尿管摘除 1例を経験し、ほぼすべての保険収載された泌尿器科ロボット支援手術をこなしております。
RARPは機能温存と癌コントロールのバランスをとるのが永遠の課題であり、RAPNは腫瘍ごとに切除方法に悩みます。RARCでは尿路変更手技の効率化で試行錯誤をしています。
手術手技を改善すべく毎回小さな工夫を積み重ねているつもりですが、執刀するたびに感じるのはda Vinciの優秀さで、開放手術ではなかなか味わえない感覚ですね。
最近国産を始め後発ロボットが出てきていますが、da Vinci Xiはmulti-portのロボットの一つの完成形なのでしょう。自動車の基本形が100年以上変わっていないのと似ているように思います。
もう一つの課題は後進への技術継承ではないかと思います。泌尿器科領域ではいよいよロボット支援手術が主流となり、若手医師のトレーニングの場が限られてきているように感じます。グループ内での情報共有も教育・指導の一環として大事なことだと認識しております。どうぞよろしくお願い致します。